Mデイビス、Dボウイなど、その音楽のスタイルが時代によって変わっていくアーティストは少なくない。
自身の確立したスタイルをあえて捨て、新しいジャンルや若手のミュージシャンを取り入れることで、アップデートしているという。
そして今回、YvesTumorの最新作『Heaven to a Tortured Mind』での変貌ぶりにも衝撃を受けた。
前作『Serpent Music』(2016)でYvesTumorが、ARCAらと同じく、アヴァンギャルド・エクスペリメンタル・シーンの寵児として君臨したも束の間、最新作『Heaven to a Tortured Mind』では強烈なグラムロックへと変貌し、セックスゴッドを演じている。
地獄のようなホーンとクラッシュするドラム、そして大胆なギターソロを多用した豪華で神秘的なロック。スエードとタバコの煙のような官能的な雰囲気を醸し出し、完全に退廃的な悪徳の雰囲気を醸し出している。
実験的なベース・ノイズミュージックなアーティストが、突然変異して悪魔のようなロックスターに扮しているのは、想像をはるかに通り越し見るだけでも楽しい。
グラムロック自体は新しいタイプのものではないけれど、Tumorがこのキャラクターにもたらしてくれる快楽こそが、彼の音楽をこれほどまでに感動的なものにしている。
ちょっと一歩下がって見ると、前作のノイジーなアンビエントは熱心な音楽ファンには非常に好評であったけれど、一般的には難解な音楽といえる。
そういう意味では最新作『Heaven to a Tortured Mind』は、現代のグラムロックとしてわかりやすいし、YvesTumorのファッション業界へインパクトを与えるルックスも、商業的なアピールにも効果的かもしれない。
Yves Tumor | Heaven to a Tortured Mind
解説・歌詞対訳 / ボーナストラック1曲収録 / 国内盤
BEAT RECORDS / WARP
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